紀州庵新館外観 書店 展示スペース
紀州庵看板 紀州庵離れ外観 紀州庵離れ内観
離れ廊下 寄贈「紀州手鞠」 和日台会訪台メンバー
離れオープン式典 離れオープン式典テープカット
古亭駅から徒歩10分、現在の中正橋にほど近い川沿いにある紀州庵は、1917年に和歌山市出身である平松徳松氏が建てた豪華な料亭でした。もともとは西門に、1897年に本店を開店していた紀州庵ですが、こちらは支店として開店して、広大な敷地には、本館と離れ、そして別館という三棟の建物が建っていました。また川沿いに建てられたこの支店の特色のひとつとして、屋形船を運行していたそうで、船のお客様に漁を見せて目の前で捌いたり、宴には芸妓さんが同行するサービスもあったそうです。
1950年代になると紀州庵の建物は公務員宿舎として使われるようになります。もともとこの紀州庵のある同安街エリアは、1950?60年代に台湾で活躍した多くの文学家を排出した地として有名なのですが、なかでも小説家の王文興氏は、この紀州庵の建物で育ったと言われています。
その後、数十年の歳月を経た紀州庵は地域住民の働きかけにより2004年に台北市政府より文化財として認定されます。その後、市政府文化局によって約7年の歳月をかけ2011年末に文化施設として再生。もともとの料亭の歴史や多くの文学者を排出したこの地域の背景を考慮し、現在は「紀州庵 文学森林」と命名されています
現在のところオープンしている施設は、 レストランや企画展示コーナー、地域の人に向け開かれるセミナールームなどがあります。そのお隣には文化遺産として僅かに残った紀州庵の離れの建物があり、修復保存作業が終了して2014年5月にオープニングセレモニーが開かれました。
少し裏話がありまして、紀州庵を建てた平松さんの子孫である現在の平松さんは、この紀州庵の話を聞かされていたももの、現在まだ建物が存在することを知りませんでした。それが2013年、ある会話の中に出た紀州庵というフレーズから、台湾の方が紀州庵を残してくれており、文化遺産として大切に扱ってくれていることを知ったのです。私もこの話を聞いて、胸が熱くなりました。
現在は、敷地内には大きな老木が迎えてくれる広大な庭もあり、辺りは住宅に囲まれていることから、とても静かでゆっくりとした時間が流れています。施設内のレストランでは軽食や中国茶なども楽しめるので、お近くにお越しの際は、ぜひ足を運んでみてくださいね。
【紀州庵 文学森林】
住所:台北市中正区同安街107號
電話:02-2368-7577
営業時間:火-木/日10:00-18:00 金・土10:00-21:00
定休日:月曜日
交通:MRT古亭駅から徒歩約10分
URL:http://kishuan.org.tw/
〒640-8304
和歌山県和歌山市松島52-3
E-mail: info@wanittai.org